令和5年、最後の月となりました。初雪が降った後、降雪の気配を感じない12月上旬です。二十四節気では「大雪」、本格的に雪が降り積もるころ。これをお読みになる頃は降っているのでしょうか。
また12月13日は「正月始め」といい、正月の準備にとりかかる日、とされています。私は正月の準備と最近の時事ネタとで連想するのは「大麻」なんですが、世間一般では「大麻=マリファナ=薬物」という認識ですね。実はコレかなり安直なんですよね。
そもそも大麻とは、アサという植物のことで、薬物の名前ではありません。人類はアサを5千年以上前から栽培していて、繊維を取る、種子を食べる、油を取る、陶酔薬とする、病気を治療する薬とする、という目的があり、有用な植物とされています。日本でも古くから繊維を神社のしめ縄や鈴縄、横綱のしめ飾りなど神事に多く使っています。魔除けになるということで、産着には麻の葉模様が使われていました。七味唐辛子に入っている麻の実や、健康志向の方に人気の麻の実油は種子です。繊維をプラスチックやコンクリートの原料にして実用化している国もあります。
でも花穂や葉に含まれるTHCという成分が、陶酔、向精神作用があるということから「危険薬物」とされています。私が調べたところ、THCの毒性はアルコールやカフェインよりも低く、正しく使えば薬になるそうです。とはいっても大麻取締法で規制されている現在、「正しく使う」というルールはないわけですので、闇で取引され、中身が何だかわからない危険な状態でマリファナが闇売買されるわけですね。医薬品のように治験されているわけでもなし、取説があるわけでもなし、そんなものを吸ってはいけませんよ。大麻グミってのもありましたね。そもそもあれは大麻ではなく、THC成分に似せてつくった化学合成薬品です。販売している側は「違法でなない」とドヤ顔していましたが、市販のクスリだって用法を間違えれば生死にかかわるくらいなのに、治験もしていない化学合成物がカラダに及ぼす影響は未知数でしょう。
そんな中の12月6日、大麻草(アサ)原料の医薬品の利用を認める改正大麻取締法が参院本会議で可決・成立しました。THCは規制、陶酔性や向精神性のない成分のCBDは医療で使用可能になるそうです。
しかしながら1つの植物で、繊維や建材になり、食べ物にもなり、油や燃料にもなり、医薬品にもなり、危険な薬物にもなりと、天使と悪魔が同居しているような植物の大麻。とんでもないエネルギーを秘めています。もっと有効に利用すればいわゆる「環境問題」も解決するんじゃないでしょうか。今後に期待しましょう。
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